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ネパール旅行記18:山サイ8日目チュリ・レダー~トロン・ハイキャンプ

2月26日。

僕はその日を、ベッドの上で悶々としながら迎えた気がする。

予定に従えば、今日はトロン・ハイキャンプまで行かねばならない。

しかし、このまま眠れずに朝を迎えるようならば、とてもそこまで行けないだろう。

高山病の症状がひどくなるようなら、マナンまで下ることも考えねばならない。


…ダメだ、今そんなことを考えて不安になってもしょうがない

眠れ、眠れ、眠れ…

IMGP2998.jpg



時を遡ること2年半前。

今回と似たような体験をしたことがある。

パキスタンと中国の国境であるクンジュラブ峠を目指して走っていた時のこと。

峠をとる前日にムリして走り、その夜息苦しさで目が覚めた。

まるで、気管に何かが詰まっているかのようだった。

2、3回深呼吸をすると少し楽になるのだが、それをしないと窒息してしまいそうで、眠りに就くことなど到底できなかった。

普通の呼吸って、どうやってするんだっけ?

自律神経に任せて呼吸することが不可能になっていた。

眠れないままに朝を迎えると、頭はガンガン、食欲もやる気も元気も全くない状態だった。

その時初めて、これが高山病なのだと分かった。

その後、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、結局クンジュラブ峠に立ったのだが、それはまた別のお話


…そんな体験があったから、夜中まで眠りにつけない今の状態には危機感を持った。

だが、フッと気がつくと辺りは朝になっていた。

頭痛や息苦しさも消えている。

しっかり腹も減っている。


これなら行ける。



朝食は豪華に350Rs.のセットを頼んだ。

チベタンブレッドに卵にポテト。

値段の割に質素だが、場所が場所だけにしょうがない。

ここまで来ると、お湯の値段も日本で買うミネラルウォーター並かそれ以上。

でも、金で買えるだけ有難い。

ケチケチしてる場合じゃない。


清算を済ませて出発。

だが、すぐに手が千切れんばかりに寒いことに気づく。

手袋を厚手のものに交換して事なきを得る。

レダーからしばらくは、乗って行ける平坦な道が続く。

IMGP2995.jpg

橋を渡って対岸へ。

今まで何度となく渡ってきた川だが、峠手前ではこれが最後の橋。

IMGP2996.jpg

水は、いたるところ凍りかけていた。


この橋以後は、あまりこげない道が続く。

IMGP3001.jpg


今朝の危機感もあり、なるべく心拍数を上げないように、ゆっくりと進む。

進んでいくと…

IMGP3003.jpg

LAND SLIDE AREA


これにはホント参った。

細かな砂利が道をかき消していて、その上で足を踏ん張るとズルズル…と川に引き込まれる。

IMGP3004.jpg


途中、アリ地獄に落ちていくアリの気分を味わいかけながらも何とか通過。

ここを過ぎると、すぐにトロン・フェディ(Thorong Phedi)のロッジが見えてくる。

IMGP3006.jpg

着いた時にはまだ10時半。

それでも、既に先着のトレッカー達が中でくつろいでいた。

それにならって、しばしマッタリとくつろぐ。

外は風が強く、時折突風が吹くたびに、窓が割れんばかりの音をたてる。


さて、ここからどうしようか。

選択肢は2つある。

1、ここで泊まり、明日の朝早く(5時ごろ)出発する

2、ここから400mほど登ったところにあるトロン・ハイキャンプに泊まり、明日の朝、楽をする


前者が、トレッカー達の定石らしい。

ガイドブックにはそう書いてあった。

一方でイキャンプは、今のようなシーズンの初めには開いてないかもしれない。

ここに泊まれば、寝床も食事も確保できる。


こうして書くと、迷うことなくフェディに泊まることに決めたくなるが、ある大きな壁があった。


それが↓


IMGP3009.jpg




ここ、登っていくんでっせ、マジでっせ。


正確には、写真の左手に回り込んでいくルートで登るのだが、それでもハイキャンプがあの壁の向こうにあることには変わりない。

この壁を、今日登るか、明日登るかで悩んでいたのだ。

今日ここまでの道は、そんなにハードではなかった。

ゆえに体力的には余裕がある。

もし明日登ることにすると、1日で1000mアップしなければならない。

1000mアップと言っても、1000mから2000mまで登るのとはわけが違う。

4500mから5500mまで登らにゃならんのだ

その途中で息絶えたらどうする?


…よし、今日登ることにしよう


と覚悟を決め、腹ごしらえをした後、アタックした。



IMGP3013.jpg

壁に延々と刻みつけられたスイッチバックのルートをたどって行く。

ここに来ての、鬼のような斜度。

2、3回曲がっては一休みを繰り返し、ゆっくりゆっくり登って行く。

IMGP3011.jpg

こんなに運動してるのに、超寒い

身を引きちぎるような風から身を守る、御覧の恰好で登って行く。

IMGP3014.jpg

対面の山並み。

写真中央の氷河が大迫力で、疲れが吹っ飛ぶ。

IMGP3020.jpg

目を転じて正面の壁。

吹っ飛んだはずの疲れが肩に重くのしかかる…

荷物、重くなってない?

IMGP3017.jpg


IMGP3019.jpg

息を切らしながらゆっくり登っていたところ、上から一人の男が手ぶらで下ってきた。

そして、すでに瀕死、青色吐息の私に向かって死の宣告をする。

「上に行っても、誰もいないよ」



おーまいがー…

いやね、大げさなリアクションをとる余裕すらない。


誰もいなくてもいい。

とりあえず今日中に自転車だけでもハイキャンプに置いておければ、明日いくらか楽だろう。

そう考え、とりあえず行ってみることを伝え、登る。

と、彼もなぜかついてくる。

およよ?


このとき僕は、彼がどこかのトレッカーのガイドか何かだと思っていた。

が、良く考えてみれば彼はトロン・ハイキャンプで働く従業員だったんだな。

キャンプに着くなり部屋を空けてもらい、飯を作ってもらい、自分の客以外の男になんでこんなに良くしてくれるんだ、と当時は感動していた。

まあ、ハイキャンプの従業員だからって感謝の気持ちが薄れるわけじゃないけど…

ともかく、ここで彼に出会えたことは信じられないぐらいラッキーであった。

それは間違いない。


IMGP3022.jpg

ハイキャンプ着。

前述したとおり、部屋をあけてもらい、飯を作ってもらった。

飯前に、また少し散歩。

ハイキャンプの建物からちょっと行ったところに小さなピークがあったので、登ってみる。

IMGP3024.jpg

頂にはチョルテンが。

IMGP3025.jpg

この頂からの眺めは、もう、ここがゴールでもいいんじゃないかと思うぐらい。

IMGP3032.jpg

IMGP3026.jpg

↑方角的にはChulu Peakかな?

IMGP3029.jpg

↑これはYakgawa Kang?


あらかた写真を撮った後、ハイキャンプに戻り、さっきの彼に作ってもらった玉子チャーハンを食う。


明日は6時出発。

4時起きせねばならないので、早めに寝る。

IMGP3021.jpg


…が、やっぱり寝付けない

今朝も感じた頭痛、息苦しさに加え、アレが…

アレがヤバい

ぐぎゃあああ~

続く
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